取り扱い上の注意とアドバイス
日本刀は良く切れます。自分が怪我をしたり人を傷つける恐れがあります。特に小さいお子様がおられるといった場合は注意が必要です。広々とした部屋で周りに物は置かないで下さい。刃が家具などに当たったりすると刃こぼれ、傷の原因になります。
常に白鞘袋にいれて下さい。これには鞘走りを防ぐとともにカバーの役割も果たしています。保管場所には日陰で乾燥したところが向いています。押入れやタンスなどは湿気や樟脳で錆の原因になります。
必ず白鞘に入れて保管して下さい。拵えに入れないで下さい。塗り鞘は漆によって通気性が悪いです。
登録証や鑑定書はコピーしておくと良いと思います。紛失や盗難のさいに有効です。刀剣と常に一緒に保管となっていますが盗難対策として家の中なら登録証は刀剣とは別の場所に保管しても良いと思います。
ベストな方法は耐火金庫に保管だと思いますが誰でも持てる物ではありませんので以上のことを注意して下さい。
こういう扱いをすると嫌われる
上記のようなことをされると持ち主は冷や冷やします。初めて触ると言う方は慣れてる方からよく説明を受けてから扱って下さい。
正しい抜刀の方法・・左手で鯉口あたりを掴み、右手の親指で左手の付根あたりを押して抜いて下さい。そのまま静かに刃を必ず上にして静かに刀身を抜ききって下さい。途中で止めて鑑賞は厳禁です。刀身と鞘が当たり傷が付きます。
分からない場合は質問して下さい。
旧来のお手入れの仕方
以上が基本です。また良く鑑賞する方でしたら研ぎ上り以外は油を引かず乾拭きでも良いと思いますがその場合は常に錆びぬよう注意が必要です。また打ち粉に疑問があります。このことは下記の新お手入れの仕方に書きます。
新お手入れの仕方
打ち粉は研ぎ石の微粉末が材料です。よって長期間使用すると研ぎがだんだんとぼやけてきます。また十分に油が除去されていない場合は油と混じって練り込むようになり痛めます。
昔は打ち粉しかなかったので仕方のないことであったと思いますが、当方の考えは伝統は大事しかし代用品が出来た進歩した現代であえて痛みの原因となる打ち粉を使用する古来の習慣をずっと守るのはおかしいと思います。
取り扱い作法は旧来と同じです。ここでは打ち粉に変わるものを紹介します。
その名は無水エタノールです。油を除去する効果あり一回で取れます。薬局で手軽に購入できるということも良い点です。液体ですので打ち粉のように表面を痛めませんし、アルコールですのですぐに乾燥する、残ったとしても一回拭けば取れます。打ち粉の変わりに無水エタノール、一度試してみたらどうでしょうか?
注意書き
どうしても油が取れない場合のみ使用しております。拭いてとれるような油には使用しません。
無水エタノールは純度は99.5%以上の物を使用して下さい。(これ以上の純度の物を無水エタノールと呼んでいるはずですが念の為)