買うときのチェックポイント

まずは刀剣の作法とお手入れについて解説します。

刀剣類は美術品ですが、本来は武器として作られていますので過失で自身や他人を傷つける事があります。

初心者の方には扱い方を事前に解説の上、鑑賞して頂いてます。

作法を守り、落ち着いて、周りに気を配ることが大切で、他人を傷付けたり、刀身に疵を付けることが無いようにご注意下さい。

これは他人の刀剣類を拝見する時や鑑定会や勉強会に参加した時にも非常に大事な事とされています。

 

祖先から受け継いだ希有な文化財であり、また次の世代に確実に伝えなくてはなりません。現状を維持する為にも定期的な手入れが大切です。

鉄で出来ていますので数年放置すれば錆が発生し、やがて朽ち込んでいきます。錆は研磨でないと除去できません。

錆を抑えて、出来るだけ長い期間、美しい状態で保つことが手入れの目的です。

お手入れは難しい事はありません。数分あれば可能で、研ぎ上がり直後でなければ2~3ヶ月毎で十分です。

初心者の方にはお手入れ方法をしっかりと習得して頂きたいと思います。

 

刀身について

偽物や欠点を限られた時間で看破する事は非常に難しく経験も必要ですが、精査すべき点にについて解説していきます。


時代を間違わない

新々刀と古刀を間違えるといったものです。写し物は姿形が非常に似ているので一見同じに見えます。

古い物は磨上などでうぶ姿でないものが多いので切先や重ね、帽子で判断して下さい。

古刀と新々刀では地鉄が全く違うので地を良く見て下さい。古刀は疲れもある為ですがほとんど鍛え肌が出ています。

新刀は鎬地に柾目が出る物が多く新刀全般の特徴となっています。

新々刀は製鉄技術の進歩からか、無地風で柔らかさに欠きます。また本科を超えるまでに至っていないので古名刀とは差があります。

刃文は時代が下るにつれて技巧的になっています。新刀期に出現した刃文が古刀にあれば不自然です。

 

姿はその時代の戦闘様式によって決定されているので鑑定上、最も注目すべき点です。

地鉄は産地や時代によって相違がみられます。

この条件の刃文は新々刀に限定されるといった場合があります。

 

疵について

疵も多数の種類があり、それぞれ名称があります。

最も嫌われる疵が刃切れです。この刃切れがないかチェックして下さい。

基本的に地にある疵よりも、刃中の現れた疵を嫌悪します。

古い刀は多少の疵はやむを得ないです。逆に若い刀などは疵について潔癖となっていきます。

どんなに優れた名品でも厳密に見れば多少の疵はあります。妥協点が大事で拘りすぎても良いお刀を逃す事があります。

 

総合的に判断する事は難しいですが、そのような事をサポートするのも刀剣商の責務と考えております。

 

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