押形

上の図が押形です。簡単に言えば魚拓のようなものです。他に長さなどの寸法や作風を書き記してあります。

古来より刀剣の研究資料として欠かすことができないものです。現在でも盛んに製作されています。これは写真では刃文を鮮明に捉えることが困難だからだと思います。古い押形はざっと茎の形、やすり目、銘などを書いたものがありますがこういった簡略的なものでも資料としての価値があります。名刀を磨上る前の姿の押形など、うぶ姿を知る唯一の手掛かりとなっています。また現在、在銘の作品がない刀工の在銘作が掲載されていたりするので参考になります。

取り方

石華墨は上質の柔らかい物が扱い易いようです。紙は和紙を用いて下さい。

紙を刀身にあてます。そのため抑えが必要です。洗濯挟みが一般的ですがそのまま使うと傷が付く可能性があるので洗濯はさみには布を巻いた方が良いです。

あとは補助に磁石でも結構ですが強力な磁力を持つものはNGです。取れなくなるかもしれません。

まずは茎の縁を写し取ります。茎のやすり目や銘は擦ってとります。コツは紙に十円玉を写し取るように力を入れすぎないようにすることです。力を入れすぎると銘などが潰れてしまい、写し取れません。

刃文は写すのではなく、自分で書きます。よく観察しながら根気良く書いて下さい。