刀剣用語はこれらの書物から発生しているものが非常に多いです。


正和銘尽(しょうわめいじん)1巻、著者不明
 わが国で現存最古の刀剣書、原本はなく応永13年に写本されたものが伝わっている。京都観智院に保管されていた。名称の由来は正和年間(1312〜16)に書かれたためで正和5年から逆算して刀工の年代がわかる。内容はかなりまとまっていると評価して良い出来である。

往昔抄(おうせきしょう)1巻、著者斎藤利匡
 1514年(永正年間)に美濃の鑑定家斎藤利匡が茎の図を集めた本で840程の図がある。これを粟田口、東国、中国西国、北陸、備中、南方、備前にわけて室町中期位までの作品が掲載されている。


秘談抄(ひだんしょう)
5巻、著者、宇都宮三河入道
 
足利義満の刀剣係りであった著者によって応永年間に書かれた。後世の鑑定に影響を与えた。


太閤御物刀絵図(たいこうぎょぶつかたなえず)
1巻、著者、本阿弥光徳
 
光徳が1594年に毛利輝元に贈った本で秀吉の蔵品から良い物65振り選んで図示して刃文と銘文を表した。現在は重要文化財となっている。


解紛記(けいふんき)
4巻、著者不明
 
慶長12年に発行されたもので、100名余りの刀工の作風を系統、国別で初めて表した画期的な内容の本


諸銘尽(しょめいじん)
1巻、著者、小幡夢芸
 
慶長19年発行で茎押形だけを234掲載してあり名前の1字ずつとり集めて国、姿などを説明している。偽銘ではないことが大金寺道金という人物により保証されている。


古今銘尽(ここんめいじん)
7巻、著者、竹屋理安
 慶長16年の書がある秘伝をもとに万治4年(1661)に著者によって発行された。内容は銘、系譜、秘伝、刃文、茎など。貞享4年にはあらたに代付表が追加され古今銘尽大全になりさらに享保元年に古今銘尽に戻った。古今銘尽が慶長8年(1603)までの作品を掲載しているのでこれ以前が古刀となった。


享保名物帳(きょうほうめいぶつちょう)
著者、本阿弥光忠
 光忠が将軍吉宗の命令で将軍家や諸大名の蔵刀の所有者や伝来などを享保4年に調査したもの。234振り掲載されていて77振りは焼失の部に掲載されている。焼けたものは本能寺の変、大阪夏の陣、明暦の大火によるものがほとんど。


古刀銘尽大全(ことうめいじんだいぜん)
9巻、著者、仰木伊織
 寛政4年(1792)に古今銘尽を基本として改めて追加し発行された。


察刀規矩(さつとうきく)
3巻、著者、竹屋伊右衛門
 
幕府お抱えの研ぎ師であった著者が明和7年に発行した。研ぎ師の立場から見た内容となっている。


古今鍛冶備考(ここんかじびこう)
7巻、著者、山田浅右衛門
 
寛政年間発行、銘と押し形と刀工の経歴を紹介。


校正古刀銘鑑(こうせいことうめいかん)
著者、本阿弥長根
 古刀銘尽大全の修正版、のちに秘伝が多く掲載され一般の目に触れたために本阿弥本家より絶版を命じられた。


懐宝剣尺(かいほうけんしゃく)
1巻、著者、拓殖万理
 
寛政9年発行。刀の寸法が測れるようになっている。また便覧、位列、切れ味が記されている。


校正古今鍛冶早見出(こうせいここんはやみだし)
1巻、著者、尾関善兵衛

 
いろは順に古刀鍛冶に7680人、新刀に2680人を掲載。後世の本はこれを基本とした。良書である。